2013年2月18日月曜日

リー・コニッツ&ブラッド・メルドー/ライブ・アット・バードランド


カフェジリオの今日のBGMです。

ブラッド・メルドーのライブ。リー・コニッツとの共同リーダー作ということになっている。


ベースはチャーリー・ヘイデン、ドラムスはポール・モチアンということで、サックス入りのクァルテットとくれば、誰だって70年代のキース・ジャレットのアメリカン・クァルテットを思い出すだろう。

しかし、実際にこのライブを聴いて思うのは、メルドーはキースのプレイがあまり好きじゃないんじゃないかな、ということだ。

キース・ジャレットの紡ぎだす音楽は、あくまでもある種の「陳腐さ」の中にあって、それでも心を動かす圧倒的な美しさを持っている。それは性善説のジャズ。
ケルンコンサートのあまりにもストレートな名演奏は、感動の中に、ほんのわずか気恥ずかしさを感じさせる。

メルドーは、右手と左手で異なるメロディを奏でながら、どこまでもわかりやすさを拒んでいる。だからこそ、レディオヘッドなどのポピュラーなロック曲を好んで題材に選んでは、ポピュラリティそのものを切り刻むようなアレンジを施すのではないだろうか。

そのような楽想にリー・コニッツはまさにうってつけだ。コードからの解放を目指したトリスターノ派の急先鋒。老いて円熟はしているが、かつて「ホリゾンタル」(=垂直的)と言われた急変化を伴うフレージングは健在。エリック・ドルフィーとはまったく違う地平に着地した老兵のプレイを今こそ聴こう。

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