CCCメディアハウス (2017-03-15)
雑誌のコーヒー特集って、だいたい「美味しいコーヒー」のトレンドはコレだ!みたいな切り口が多かったんですが、それってずいぶん雑なものの見方だなあって思ってたんですよ。
今回のPenは、きっぱりとコーヒーをテーマにしたインテリアやライフスタイルの紹介に徹していて気持ちいいです。
そういう意味では、インテリア特集ともいえる本記事に、中川ワニ夫妻を登場させるという編集が、またいい感じです。
中川ワニさんという人は、決まった店舗は持たずに自宅の一室に焙煎機を置き、全国の喫茶店や個人の方のオーダーに応えて焙煎して販売したり、奥様と一緒に全国を旅してコーヒー教室をやったりという、羨ましいくらい自由なコーヒー職人なんです。
確かに道具には一定のコダワリがありますが、スタイル優先ではありませんし、店舗がないのでインテリア要素はゼロですからね。
広い意味で、その自由なライフスタイルをコーヒーが実現させている、ということなんでしょう。
今回、記事を読むと奥様のお名前が京子さんになっていたんですが、コーヒー修行をしていた頃愛読していたワニさんの奥様の本の著者名は確か・・
そう、ちえさんでした。
改名?それとも離婚なさったんでしょうか。
まあ、どうでもいいですね。コーヒーには何の関係もない。
それと同じくらい焙煎士のこだわりなんぞ、味わう人には関係がないんだよ、と言わんばかりに記事には技術的な話は出てきません。
もともと、美味しいコーヒーを淹れるには、と問われて、
大事なことは
1,新鮮な豆を
2,そのつど挽いて
3,飲む分だけ淹れる
この3つだけです。
と言っていた人ですから。
まあ、実際この3つが揃わなかったら、挽き目とか温度とか器具とかにこだわっても仕方がないというのは本当のことだと思います。
まずはここからですね。
記事全体を通じても、登場するモデルケースの皆さんは、この基本線の上に立って、その先の独自のスタイルを構築しておられるようです。
自由、にもそこを超えてはいけない一定の枠組みがある、ということでしょうか。
せっかく綺麗に構成された記事に野暮な解説でしたが、念のため。
あ、それと随所にオーディオ機器のことを「ステレオ」と表記していて、それもなんかすごく懐かしい感じでよかったです。
今でも「ステレオ」っていう言い方するの?