2013年5月20日月曜日

続・スモールビジネスのウェブの一例として

カフェジリオのホームページは、Digitalstage社のBiND5というソフトで作っている。FLASHベースのホームページを作れるiD for WEB LiFEというソフトからの付き合いだったが、iPhoneはFLASHに対応していないことから、HTMLベースのページに移行しようと思っていたら、折よく同社からBiNDが発売されたので乗り換えた次第だ。
BiNDになってからVer.1から3、そして5と飛び飛びにバージョンアップに付き合った。

出来がいいからではない。
開発側はバグではないと言いたいだろうが、作業中首を捻らざるを得ない素人っぽい不良仕様がたくさんあるのだ。
一番腹立たしいのは、文字列を選択する際、たいていのメジャーソフトウェアでは文字列をはみ出すように指定すれば全体を指定できるが、Digitalstage社のソフトはどれも最後の文字をはみ出すと指定がキャンセルされるという恐ろしい仕様になっていることだ。
文字の選択の仕方なんて、ある種の作法なのであって、一ソフトメーカーが口を出してはいけない領分だと思うのだが。

それでもこのバグ(仕様?)が次のバージョンでは消えているのではないか、と期待してしまうのは、やはりそのテンプレートのセンスにある。
もう、こうしたいのに、なんて思わずにテンプレートが要求するようにコンテンツ側で工夫して写真や文章を埋めていくとプロが作ったようなサイトが出来る。いやそういう意味では「プロが作った」サイトなのである。

だからこのソフトウェアハウスには、「センス」以外のものを求めてはいけない。
ネットショップを作るためのスペシャル・パッケージなどがあるのだが、まるで使いものにならない。
現代に生きる僕らはAmazonのこの上なく洗練されたインターネット・ショッピングを体験してしまっている。そんな僕らに、この会社の提供するインターフェイスはあまりに時代がかっていて、やはりデザインのセンスとビジネスのセンスは別物なのだな、と思わずにいられない。
ネットショッピングなら、受注管理、顧客管理ができるネットショップ開業ソフト「ネットショップ・オーナー」や、ASPサービスの「MakeShop」など専業の洗練されたサービスがある。そちらを利用したほうがいいだろう。

あ、あと大量についてくる著作権フリーの写真は本当に助かる。
これだけで、ソフト代のもとが取れてるかもしれないくらい。
写真の選択もこだわりすぎないのがコツ。ピンときたら貼ってみる。
しばらく見てると、ふーん、いいじゃない、となる。
いい写真ってそういうもんだと思う。


最近レンタルサーバー内に設置して独自ドメインでのブログ付きサイトを簡単に作成できるWordPressが大流行だが、それゆえパッと見て、ああWPだなとわかってしまうけどカッコイイからいいと思う。事実、自分もBiNDを使っているのに、かなりWPのテンプレートを意識して作ってるし。それに無料だし。
それでもソフトで作りたいのは、やっぱり僕の感性が古いのだろう。

結局カフェジリオのサイトは、大きなリニューアルを三度ほど行ったが、その度に情報を「減らし」ていった。
サイトの情報が充実してもお客様が増えるわけじゃないし、更新性の高い情報はBlogで流せばいいし、今はFacebookもある。
だからケーキやら焼き菓子やらのいちいちの情報を削除して、経営の考え方を書くことにシフトしてきた。

長い間広告の仕事をやってきて、これは真理だなと思うのは、広告ってのはできるだけたくさんの人に知ってもらうための投網であると同時に、本当にそのサービスによって幸せになる人を選り分けるためのフィルタなんだってことだ。

だから結局のところホームページを作るという作業は、自らが設計したサービスが本当は何だったのかを日常のお客様との関係の中で感じ取って、それをどれだけシンプルな言葉にできるかを問われているわけで、だから必要な「作業」はどんどん単純になっていくものなのだ。
そしてそれが何より難しい。
精進していきたい。

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