いよいよ最終工程です。コーヒーを淹れてみましょう。
まずは、この「淹れる」という工程において、美味しいコーヒーを淹れるための基本的条件をお伝えします。
それは「粉をたっぷり使う」ということです。
ペーパードリップの原理は、湯が「重力」の力で移動するエネルギーを使って抽出する、というものです。
重力は必ず垂直方向に働きますから、上下方向の距離が長い方が有利です。(ゆえに三角錐のドリップ器具が特性的に優れています)
この距離確保のために粉をたっぷり使いましょう、ということです。
一般的なドリップ系(透過法)器具での一人分の粉の量は10gと言われていますが、円錐形ドリッパーの嚆矢KONO式では12gと設定しています。
気持ち、多めに粉を使うことで味がよくなります。
ここでもう一つ注意点が。
一般的なドリップフィルター(円錐でも船形でも)で、一人分は入れないでください、ということです。
最低二人分、粉にして20g以上、できれば25g程度で淹れて欲しい。これも上下方向の距離確保の観点です。
注湯に関しては、新鮮なコーヒー豆を使っている限りは、それほど神経質に考えなくても、粉自体が膨らんで、ゆっくりと少量づつしか注げないはずです。
粉の膨らみに任せて、最終的に抽出したい量まで、連続的にでも、断続的にでもお湯を注いでいただければ美味しいコーヒーが出来上がるはずです。
ここでの注意点は、むしろ注ぎ終わりの問題です。
終盤、フィルターの中は灰汁で一杯になっていますが、灰汁自体は軽いのでお湯を注いでいるうちは落ちてきません。これをなるべくカップに落とさないために、抽出を終える際、フィルターにお湯が一杯の状態で、サーバーから外して欲しいのです。
少し工夫が必要ですね。僕は、サーバーごと持ち上げて、シンクの上で外して、そのままフィルターだけシンクに置いちゃいます。
フィルターを持ち上げて別のカップで受けて置く方もよく見かけますね。
抽出に関しては、
「粉をたっぷり使う」のと、「灰汁を落とさないように、フィルターがお湯で一杯の状態で外す」
の2点に気をつけていただければ、美味しいコーヒーができると思います。ぜひお試しください!
最後に連続写真で、KONO式抽出術の奥義(と言っても超簡単)を解説しよう。僕は毎日練習して1ヶ月かかりました。焦らずに練習してください。
なるべく粉を平らにします。強めに左右に振ると上手くいきます |
最初数滴ポタポタと90度以上のお湯を中心に垂らすと、膨らんできてベッドができます |
ベッドを広げていくように円形に中から外へ回しながら注滴していきます |
必要な量の珈琲液ができたらサーバーから外して別カップかシンクに |
お湯が落ち切った時、綺麗な円錐形になっているのが理想です |