本年もよろしくお願いいたします。
つとめて「平凡」に生きようとしてきた。
もちろん昨年も。
言葉から受ける印象とは異なり平凡に生きていくことは難しい。
人は一人で生きているのではなく、取り巻くすべては移り変わり続けている。
その中で、平凡に生きていこうとすることは、「自分であること」を維持するための戦いなのだ。
だから僕のこの平凡そのものに見える日常は、いつものお客様を笑顔でお迎えして、丁寧に珈琲を淹れ、充分吟味して作ったケーキを召し上がっていただくこの店の日々を守るための戦いなのだといえる。
その事はたとえば、ちょっといつものより苦いんじゃないの、と言われて自分の焙煎技術の未熟さを心底恥ずかしく思う瞬間がもたらしてくれる成長、のようなカタチであらわれる。
だから苦言だって大事な「縁」だと思う。なるべく「おいしさ」以外のものを経営に混入させずに作ってきた「縁」の中で僕らはささやかに生きていく。
そして、振り返ってみると昨年が飛躍の年であったようだ。
我々の一年間の通信簿はクリスマスケーキの受注数だが、この一年で倍ほどの数に膨らんだ。
特に期することなく始めた日常の仕事は、運や縁に支えられ、それらを逃さないよう丁寧に続けていくことだけが、虚飾のない実力となる。
そしてその「実力」だけが、真に「平凡」な日々をもたらしてくれる原動力なのだ。
その意味では元旦こそは一年の計を案ずるに最もふさわしくない一日ではないか。
やはり一年の計は「毎日」にあるのだ。
油断せずにいこう。
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